波音の回廊
 輪廻転生。


 それが本当にあるのだとしても。


 地球上には、60億ともいわれる人間が存在する。


 第一、同じ時代に生まれることができるという保証もない。


 人間になれるとも限らないかもしれない。


 そんな、何億分、いや何兆分の一という確率の中。


 罪を償った清廉は、新たな生を受けることを許され、今こうして再び私の元へ?


 感激のあまり、涙が止まらない。


 だがそれは、母を混乱させるばかり。


 そして清春は、困惑したまなざしを私に向けるばかり。


 ……清春は、姿形は清廉と全く同じだった。


 さすがに服装や髪型は、今風だったものの。


 声も同じ。


 目を閉じれば、側に清廉がいると錯覚してしまいそう。
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