波音の回廊
清春は、東京の医大を卒業後、付属の大学病院で研修医として勤務した後。
わざわざこんな僻地ともいえる、北海道の海辺の町の病院長になった。
ちょうどおじいさん医師が引退して、後継者を探していたので、タイミングよくこの町唯一の病院に勤務することができた。
あのまま東京の大学病院にいれば、玉の輿狙いのきらびやかなナースたちに囲まれ、白い巨塔状態の派手なドクター生活を満喫できたかもしれないのに。
こんな田舎の町の病院で、おばさま看護師に囲まれる日々。
患者は地元のお年寄りが大多数。
病院は地域の高齢者のたまり場と化している。
「それでも……。この町にずっと居たいって気持ちのほうが強かった」
清春はそう語る。
「そしてここには瑠璃、お前がいるから。ここでいつまでもお前と一緒に生きていきたい」
わざわざこんな僻地ともいえる、北海道の海辺の町の病院長になった。
ちょうどおじいさん医師が引退して、後継者を探していたので、タイミングよくこの町唯一の病院に勤務することができた。
あのまま東京の大学病院にいれば、玉の輿狙いのきらびやかなナースたちに囲まれ、白い巨塔状態の派手なドクター生活を満喫できたかもしれないのに。
こんな田舎の町の病院で、おばさま看護師に囲まれる日々。
患者は地元のお年寄りが大多数。
病院は地域の高齢者のたまり場と化している。
「それでも……。この町にずっと居たいって気持ちのほうが強かった」
清春はそう語る。
「そしてここには瑠璃、お前がいるから。ここでいつまでもお前と一緒に生きていきたい」