波音の回廊
 ……。


 「この島の衣装が、よく似合うな」


 清廉が準備した衣装を、身につけた私。


 そして夜、清廉の部屋で一緒に食事をすることになった。


 この島の生活スタイルは、和風というより若干中華風。


 椅子に座って、テーブルを囲んでの食事だった。


 だけど食事は和風。


 どんな食べ物が出てくるか心配だったけれど、魚介類が中心で、あとはご飯とか漬物とか。


 私が現代日本で食べている味とそんなに変わらなかったので、一安心。


 箸も使用している。


 「食事は、口に合うか?」


 私は頷いた。


 お腹がすいていたので、たくさん食べることができた。


 「お前、酒は飲めるのか?」


 「私、未成年ですので」


 「は?」


 清廉は未成年という概念を理解できない様子だった。


 「あ、飲めないんです。私、お酒を飲んだことないんです」


 「飲むか?」


 「いえっ、やめておきます! 代わりにお水でも……」


 するとフルーツジュースのようなものを侍女が運んできた。


 清廉は一人で杯の酒を飲み干した。


 空になる度に私は酌をした。
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