波音の回廊
「あの人たちは?」
港を散策中。
浜辺から船で石を沖へと運んでいる労働者の姿を目にした。
「彼らもまた季節労働者で、沖合いの防波堤の修繕作業中だ」
「防波堤?」
「そう。高潮・高波からこの島を守るためには、強固な防波堤が是が非でも必要なんだ」
それに続いて、清廉は恐ろしい言葉を口にした。
「……ただ、この島は平坦な島だ。大津波なんてやって来たら、あっという間に飲み込まれてしまうんだろうな。あんな防波堤など無駄で、何もかも木っ端微塵……」
「そんな話、しちゃだめ!」
この島の最期(と伝えられている話)を知っている私は、その言葉に笑って応じることなどできなかった。
……。
少し間が空いた。
「……どうしたんだ? 何を怒っている?」
「別に怒っては、」
心の動揺を清廉に知られたくなくて、私は口を閉ざした。
港を散策中。
浜辺から船で石を沖へと運んでいる労働者の姿を目にした。
「彼らもまた季節労働者で、沖合いの防波堤の修繕作業中だ」
「防波堤?」
「そう。高潮・高波からこの島を守るためには、強固な防波堤が是が非でも必要なんだ」
それに続いて、清廉は恐ろしい言葉を口にした。
「……ただ、この島は平坦な島だ。大津波なんてやって来たら、あっという間に飲み込まれてしまうんだろうな。あんな防波堤など無駄で、何もかも木っ端微塵……」
「そんな話、しちゃだめ!」
この島の最期(と伝えられている話)を知っている私は、その言葉に笑って応じることなどできなかった。
……。
少し間が空いた。
「……どうしたんだ? 何を怒っている?」
「別に怒っては、」
心の動揺を清廉に知られたくなくて、私は口を閉ざした。