波音の回廊
 「でもお前は、私に自然な仕草で接してくれているようだ。裏表のない付き合いができて、とても楽しい」


 「こんな私とで楽しんでもらえて、何よりだけど……」


 私はこの島の人間でないので、打算計算などなしで、清廉に接することができる。


 裏表がない、清廉はそう言うけど。


 私は、最大の秘密を隠している。


 この島の末路。


 そしてそれを決定付けるのは、他でもない清廉あなただということを。
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