【完】1日遅れのクリスマス
1日遅れの……
「――え…、今…――」
ピタリと止まった私の足がかすかに震える。
私を後ろから呼び止めたその声は、紛れもない、
大好きな彼の声………愛しい彼の声。
でも、いるはずない。
来るはずがないんだから。
唇を噛み締めて、振り返らず再び歩きだす。
ダメ……振り返ったらダメ。
だって、光輝はもう私のことなんて……―――
「奈南っ…――」
「――っ」
大好きな光輝の声で呼ばれれば、
私はこぼれる涙を必死に抑え、
足を止めてゆっくりと振り返った。