【完】1日遅れのクリスマス
唇を離したあと、光輝の顔を覗き込めば、
街灯に照らされる光輝があまりにも顔を真っ赤にさせるもんだから、私まで恥ずかしくなってきて俯いた。
「………」
「………」
どちらとも無言のまま、手を引かれるがままに歩き続ける。
うぅ、気まずい……。
ていうか、まだ訊きたいことあるんだよね……
あの女の人のこと。
モヤモヤしたまま考え込んでいると、
「――な」
「―…奈南!」
光輝に肩を揺さぶられてはっと我に返った。
「あれ……ここって……」
気が付けば、私達は光輝の家の前に着いていたらしく。
「奈南の家、遠いだろ?今から帰んのは大変だから今日、泊まってけよ」
そう言って私の手を引くと家に入れられた。
「…お、お邪魔します…」
そう言って軽く頭を下げながら、家に上がった。
光輝の家には、何回も行ってるけど…やっぱりなれないんだよね……
緊張すると言うか、照れると言うか……。
それから、お風呂を借りて温まったあと気付けば私は、光輝のベッドで寝ていた。