【完】1日遅れのクリスマス
正体
【奈南said】
「――…っ、痛ぇーー!!」
「朝っぱらからなにしてんの!!この変態!!野獣!!猛獣!!」
いきなり現れた女の人が光輝の頬を引っ叩いて、怒鳴り付ける。
突然のことに、私は目を見開いてその光景を見ていた。
え?え……?
何がなんだかわからない。
女の人の声が聞こえた時、脳裏にあの女の人のことが浮かんできて。
私との約束を断って、女の人と仲良さげに歩いていた光輝。
その日のことを思い出しちゃって、涙が出てしまった。
目を擦りながら体を起こす。
光輝の前で仁王立ちするその人をそっと見上げれば、やっぱりあの時、光輝と一緒にいた女の人で。