【完】1日遅れのクリスマス
きれいなボブヘアーにスラッとした足。
思わず見惚れてしまうほどきれいな人だった。
何で、この人がここにいるの?
どうしてここを知っているの?
もしかして、
本当に光輝の浮気相手で、まだ関係が断ち切れていなかったとか……?
ねえ、光輝………。
不安になるよ。
指輪のついている方の手を握りしめる。
「………っ…う」
胸が痛くなって、涙があふれでてきた。
「だいたい、あんたはねぇ…―――って、ちょっと、奈南ちゃん!?」
ボロボロと泣きはじめる私に、女の人が気付いたのか慌てたような声を出す。
私は必死に涙を止めようと、袖で目を擦りながら顔を伏せた。
やだ………
見られたくない。
だけど、漏れる嗚咽はおさえられない。