【完】1日遅れのクリスマス
「奈南ちゃん、いきなりで驚いちゃったよね」
「い、いえ……あの」
思ったよりも、優しそうな口調に優しそうな表情を向けられ、私は少し顔をあげる。
ドキ……
や、やっぱりすごくきれいな人。
女の私でも見惚れてしまいそう。
「どうしたの?」
「えっ…と、どうして私の名前……」
さっきから気になってたことを、おずおずと聞いてみる。
会ったのは今日がはじめてだよね?
名乗った覚えもないのに。
なのに、さっきから〝奈南ちゃん〟って前から知ってたみたいに私の名前呼んで……。
女の人は一瞬、ポカーンとした顔をして、
「ああ」と手を叩いた。