【完】1日遅れのクリスマス
「もうっ、こんな可愛い子が光輝の彼女とかほんと信じらんないわ~」
朱里さんが頬を赤らめながら言えば。
「おい」
光輝がすかさず突っ込んで。
「それでそれで~??あれは渡せたの??」
「べ、べつにいいだろ?そんなこと」
「よくないわよ、大事なことじゃない。教えなさいって。誰が付き合ってやったと思ってんの?」
朱里さんがニヤニヤしながら光輝に詰め寄る。
あれ?
あれって………?
朱里さんの言葉に、首をかしげ光輝を見れば、光輝は顔を赤らめて顔をそらした。
え、ちょっと。なにその反応。
教えてよ。
気になるじゃん。
そう視線をおくれば、観念したように光輝は口を開いた。
「――…渡せたよ……ほら」
ちょっと照れたように答える光輝。
そっと私の左手をとると、それを朱里さんに見せた。
あ…………
渡せたって、これ?
キラキラ光るリング。
昨日光輝からもらった婚約指輪。
朱里さんは、それを見て目を輝かせ
「きゃ~かわいいっ!!似合ってるっ! じゃあじゃあ、これで奈南ちゃんは私の義妹なのね!!」
そう言って、私の手をブンブンと握って振った。
それはもう、肩が外れんばかりの強さで。
痛い、痛い、痛い。