【完】1日遅れのクリスマス
「おい、姉貴、奈南が嫌がってんじゃねーか。ヤメロ」
「えー? そんなことないわよねぇ?あっ、そうだ光輝のちっちゃい頃のアルバムとか見る?」
「え……えっ、あのっ」
「見せなくていーし。つか、触んな。離れろ。奈南が汚れる」
「はあ!?なんですって!? 汚れるぅ?私は汚物か!!」
「え、ちょ……ちょっと!?」
けんか!?
いきなり口喧嘩が始まったような……。
って、止めなきゃ!!
「あのっ、落ちつ…―――」
光輝の腕の中から抜け出して、仲裁に入ろうと立ち上がる。
だけど、
立ち上がった瞬間、クラッときて、
グラリと傾く体。
気づけば、
―――ドサッ
と、そのまま床に倒れ込んだ。
「奈南!?」
「奈南ちゃん!?」
二人の重なった声が遠退いてく。
息が苦しくてなんだか体が熱い。
目を閉じればそのまま
――…プツリと、私の意識が途絶えた。