Cherish!!
早紀と郁生の時間は止まったままだった。

郁生にとっては予想もしてなかった事だろう。


「早紀」

ビクッとする早紀。

「ごめん、全然気付かなかった」
「…」
「ごめん…」

「謝ってばっかり」

早紀は涙を拭いた。

「別に郁に振り向いてほしいと思ったわけじゃない」

「え?」

「どうしても伝えたかっただけよ、それだけ」

「…早紀」

早紀は笑って郁生に近付いた。

「気にしないで、郁は楓のことだけ想っててよ」
「え」
「気付かないとでも思ってたの?」


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