Cherish!!
『律様』

現われたのは椛だった。

「?」

誰だ?

「椛さんっ」

心の声がした。

椛… 楓の生まれ変わりの?

『律様、止めて下さい』

椛の哀願する顔。

「は…?」
『律様…』
「僕は律では…」

椛は郁生の言葉を遮った。

『律様、私は浩二郎様を愛しています。でも律様も大事な大事な人なのです! どうか、どうかお止め下さい! お願い!!』

椛は、郁生の目の前で両手をきつく組み、今にも泣きそうな顔で郁生を見つめていた。


椛の瞳は…

本当に楓そっくりで、郁生は一瞬その瞳に惹かれてしまった。


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