Cherish!!

「郁!!」

早紀は郁生の様子がおかしいのに気付き、近寄ろうとする。

「どうしたの? 郁!」

楓も郁生を呼んだ。

「…行かなきゃ」
「郁?」

フラフラと動き出す郁生。

「郁、どうしたのよ!?」
「何処に行くんだよ!?」
「行かなければ…」

郁生は歩き始める。

「待って!!」

早紀は郁生の腕を掴もうと手を伸ばした。

(パシッ)

「痛っ!」
「早紀!」

楓は急いで駆け寄った。

「大丈夫!それより郁…」

3人をよそに、郁生は図書室を出た。

郁生の体には、不思議な空気みたいなものが纏わりついていた。


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