Cherish!!
「なんでつかねぇんだよ」
「目の前にあるのにぃ」
友哉と晶は、光の方へ来たのにかかわらず、なかなか辿り着くことができないでいた。
「方向、違うわけないよな?」
「そんなことない!!」
「だよな」
「なんでぇ?もうわかんない」
『お困り?』
「へ?」
頭の上から声がして、振り返ると、くすくす笑う薫達がいた。
「薫さん!!」
『また会えて嬉しいわ』
「あたしも」
ゴホンッ。
薫の後ろで咳払いが聞こえた。
『あ』
『薫、喜んでいる場合ではないぞ』
「信哉さん!!」
少し照れた感じで、信哉は立っていた。
『何か手助けできないかって、追いかけてきてみたの』
「わーっ、嬉しいよぉ」
笑顔の晶。
しかし反対に信哉は、難しい顔をしていた。
『なぜだか行動が自由になってきてるのだ』
「え」
『だから、なんだか嫌な感じがして…』