Cherish!!
「郁…」
ポツッと早紀が呟いた。
「どうしたらいいの?あたし達」
「早紀?」
「…真珠を揃えれば、みんな解決するのかしら? 郁は戻ってくるの?」
「…わからない」
「郁を止める事さえ出来なかったのに」
「……」
心は携帯の画面を見る。
陽が昇るまで、あと数時間しかなかった。
こんな少しの間で、どう真珠を探せっていうんだ!!
郁も見失っちまったのに!!
どうすれば…。
指を噛み壁に向かっている心に、楓は声をかけた。
「心」
名前しか呼べない自分が、はがゆい。
心の力に何もなれてない。