Cherish!!
どれだけ時間がたっただろう。
数10分なのか、もしかしたらまだ何分しかたっていないのかもしれない。
3人の中の時間は、嫌に早く、鈍く進んでいた。
「早紀、大丈夫?」
さっきから身動きしない早紀が、楓は心配だった。
楓は早紀の側に寄り、静かに抱きしめた。
「楓」
「ん?」
「お願いがある…」
「なに?」
「お願い、楓。郁を見つけて」
「早紀?」
早紀は顔をあげた。
「郁を見つけて!!」
楓を強い瞳で見る早紀。
うっすらと涙が浮かんでいた。
「早紀、落ち着いて」
「あたしじゃ、あたしじゃ見つけらんない」
「早紀、大丈夫よ。みんなで探せばきっと…」
「あたしがどんなに郁のこと思ったって無理なのよ、楓じゃないとダメなのよ!」