Cherish!!

『…くか?』

「律?」

『郁、なのだな』

「…そうだ」

桜の根本の光はゆっくりと人型になり、郁生の前に立った。

「律…」

まるで鏡を見ているような感覚。

律と郁生はうりふたつだった。

ただ違うとするなら、律の方がほっそりとしているぐらい。
それ以外は…。

ごくり、と郁生は唾を飲む。

一瞬どちらが自分なのかわからなくなってしまった。

恐怖を、感じた。


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