Cherish!!

しかし、図書室の中はしんと静まり返っていて、早紀の声だけが空しく響いた。


「郁…いないの?あたし達迎えに来たんだよ…」


「郁」

「郁…」

「どうして…いないのぉ?」

早紀はズリズリとその場に座り込んでしまった。

「早紀…」

楓は見ていられなかった。早紀の肩をぎゅうと抱きしめた。

「楓…」


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