Cherish!!


『律!!』


郁生は存在しないドアを叩き続ける。


『ここから出すんだ!!!!』


しかし律は何も答えない。

答えるどころか、郁を闇に墜とそうとしているかのように、郁生の居場所を狭めていっていた。


『律…』


微かだが聞こえる体外の音に、郁生は耳をそばだてて現状を理解しようとしていたが、限界が近づいているようだ。


『ちくしょう…、このままじゃ楓達が…』


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