Cherish!!

「あ、郁〜!」

晶は本棚の近くにいた郁生を発見すると、楓と同様に手を大きく振った。

「晶」

郁生は早紀とゆっくりと窓際に歩いてきた。

「早紀〜」

晶は満面の笑みだ。

「あんまり帰ってこないから、心配してたのよ」

「早紀がっ!? 珍し…ぃ…」


晶のお決まりで、わざと早紀に絡んで怒らせようと発した言葉が。


早紀の一瞬の表情に、声がしりつぼみになっていった。


「早紀? どしたのぉ?」

「え? なにが?」

「そんなに心配したの?」


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