Cherish!!
Ⅹ
背後で律はため息をついた。
「何十年もかけて、また私の邪魔をするんだな」
『律』
「懲りないなぁ、お前は」
『律、楓を離すんだ』
「そっちが真珠を渡したら、な」
『律、それは!』
あぁ、と律はナイフを浩二郎にちらつかせる。
「見覚えでもあるのか?」
『律、同じ過ちを繰り返すつもりか?』
「まさか」
『そのナイフは…』
「…あの時、これでお前を殺したんだよなぁ」
皆が一斉にざわめく。