Cherish!!
「おい、楓」

振り向いたあたしの方がぎょっとするくらい仲間の心(しん)は、顔が青ざめていた。

「心、だいじょぶ?」
「お前、見えるか?あれ」

心が指差した方向は、あたしがさっき直面した場面だった。

「…あんたも見えてるの?」

あたしはおそるおそる聞いた。だって、あたしだってすぐさま周りの人に聞いてみたけど、誰一人として首を縦に振る奴はいなかったから。

「俺と、お前だけ?」
「マジ?」

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