Cherish!!
肩に、楓の体温を感じた。

あったかい。

楓の寝息も、すぐそばで郁生は感じていた。

「楓?」

答えるわけはないのだが、呼んでみたかった。

「楓」



…僕は楓が好きだ。

聞こえてないのは分かってる。

君は僕の心の中なんか知らないし、興味もないだろうし。
ただ親友として、そばに当たり前にいる僕を君は好きなだけ。

…でも僕は。

楓が、世界で一番大好きな女の子なんだ。
こうやって隣りで眠ってる君を、いますぐでも抱きしめたい僕の気持ちは伝わらないけど。

僕は楓が好きだ。


…そして郁生は楓の頬にキスをした。

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