Cherish!!
郁!!

早紀はその場から走り出した。

ヤダ! ヤダッ!!

頭の中ではさっき偶然見てしまった郁と楓のキスシーン。

飲み物を買いに行ったが、頼まれた物が売り切れだったのを思い出し、再度聞きに戻ってきたのだ。

楓は眠っていたとはいえ、早紀はショックを隠せない。

「はぁ、はぁ」

ロビーまで走ってきた早紀はその場にしゃがみ込んだ。
息もまだ切れている。

「…うっ」

あたし、何やってるんだろ?

…涙が零れてきた。


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