Cherish!!
…郁が楓のこと、好きなのはずっと前から知ってたじゃない!

楓は今、眠ってるのだって!

全部あたしはわかってるのに!!


涙は止まらなかった。

…もう、だめ。

郁を、見つめてるだけなんて、できない。


「どうした?」

早紀はビクッとした。

「誰?」
「俺…」

心が近くに来ていた。
早紀は急いで鼻をすすりあげる。
泣いてるなんて気付かれたくなかった。

「どうしたの? こんなとこで」
「いや、喉渇いたから自販に」

心は静かに答えた。


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