Cherish!!
「早紀、大丈夫か?」
「郁、私…」

言ってしまおう、そうしたらこの苦しさも悲しさも終わるかもしれない。

「何?」

もし断られても、このまんまより絶対マシなはずよ。

「早紀?」
「郁、私ね」

郁生の手が伸びてきた。

「!?」
「早紀、熱でもあるのかと思ったんだけど、ないな」

郁生の手は早紀のおでこに当てられていた。


…郁生の掌が、あったかかった。


< 86 / 224 >

この作品をシェア

pagetop