Cherish!!
「楓」

心は掴んでいた手を、するりと楓の背中に回した。

「心?」

そして、優しく楓を抱きしめた。

「心、何やってんの…」
「…」
「やだ、離してよ」
「うるせぇよ」
「心」

心は楓を離さない。


「…言おうかどうしようか迷った」
「え?」

「お前気付いてねぇし、なんにも」
「何言ってんの?」

「でも俺は、やっぱりお前のこと」
「心?」

「好きだ」

「え…」

心を拒否していた楓の腕から一瞬力が抜けた。


< 98 / 224 >

この作品をシェア

pagetop