プロポーズ
違う。
大事にしてるとかじゃない。
なんていうか、抱きしめるだけて壊れちゃいそうなんだ。
もっともっと強く抱きしめたいけど、僕のものにしたいけど、怖くてできない。
・・・ただの小心者なだけだ、僕は。

僕も一緒に空を見上げた。

「昊くん?」

振り返ると朝海がそこにいた。
急いできたみたいで図書館のエプロンも、きっぱなしだった。
「南」という朝海の名字がついたプレートまでまだ外されていなかった。
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