プロポーズ
「あさみんの苗字って南だったよな?
ドアが閉まって中は見えなかったけど、表札に南朝海って書いてあった。
本人みたわけじゃねーから、わかんねーけど・・・っておい!どこ行くんだよ!」

「中央病院!」

僕はそれは絶対朝海じゃないと自分に言い聞かせながら車に乗った。
違う、絶対違う。違う違う違う。

病院へ着くと案外冷静な自分がいた。
混雑している病院内。
そうだ、こんなに人がいるんだもの、同姓同名だっているはず。
それか、啓太の見間違えってことだってある。

そんなことを思いながら僕はガン専門のコーナーへと入っていった。

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