プロポーズ
そして、ひとつずつ、表札を見た。
啓太のおばあさんの名前もあった。
ひとつずつ、ありませんように、違いますように、タラリと冷や汗が僕の頬を伝った。

「南朝海」

朝海の名前があった。
ドアが少し開いていた。
中を除くと誰もいなかった。

僕は少しほっとした。
朝海じゃないかもしれない、朝海だとしても歩ける位だ、たいしたことないかもしれないし、ガンじゃないかもしれない。

「すみません。面会の方ですか?」
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