プロポーズ
「・・・。」

僕は言葉が出なかった。

朝海はベットから降りて僕の服を両手で掴んで言った。

「昊くん、変わって?」

「・・・え。」

「それか、一緒に死んでよ、昊くん。」

朝海は笑っていた。でも、泣いていた。
病気は、ガンはこんなにも人を変えるのか?」

「でも、助かる可能性だってあ・・・」

「もう、無理なの!乳がんのステージ4で、あちこちに転移してるの。助かるなんて絶対ない!」
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