プロポーズ
朝海は棚から果物包丁を取り出した。

「これで死ねるかな?」

朝海、本気なんだ。
朝海の手は震えていた。

「朝美、朝美は生きられる時間がまだあるじゃないか。それまで僕といきていよう?朝美が、天国へ行ったら僕も追いかけるから。」

僕は、少しでも長く朝美に生きて欲しい。
だから、僕が死ぬのは朝海の後でもいいと本気で思っていた。

「そう言って死なないつもりでしょう?」

朝美は僕の目をじっと見た。
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