プロポーズ

僕は泣きながら叫んだ。

「朝海さん、結婚して下さい!」

僕は土下座した。
その拍子でズボンの右ポケットから小さな箱がコロンと落ちた。
結婚指輪だ。
僕は朝海にここで、プロポーズするつもりだった。
そして、朝海は笑顔で頷くんだ。

「はい。」

一言そう返事をしてくれるはずだった。
はずだったのに。

そして、ふたりで笑い合うはずだったのに。
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