君を抱きしめたい
「何言ってんだよ…」
動揺をかくせずに、声が震えた。
奈々は近所に住んでいたから
小学校も中学校も一緒に登下校して
近所に住んでるからって理由だけで放課後よく一緒に遊んだ。
高校は別々になったから自然と会わなくなって、一緒に1ヶ月前のバレンタインには久しぶりに会った。
ただ…
それだけの関係だったはずだろ?
ただ…
性別なんか関係ない
友達だけの関係だったはずだろ?
ただの友達だったはずの奈々が
この瞬間、初めて僕の中で
1人の女の子になっていた…。