君を抱きしめたい

『清春君、知らないないの？あのお姉さん、会社の社長の息子との縁談断って左遷されたらしいよ？』

『左遷…？』

『たぶん、クビにはしないけれどどっかへき地に転勤させられちゃうとかそんな感じじゃない？

お姉さんのお母さんが愚痴ってたって言うから信憑性は高いよね？』

『なにそれ…』


そんな話し、一度だって姉ちゃんから聞いたことなんかない。

『その…それで、その噂はいつ頃聞いたわけ？』


姉ちゃんから聞いたことなんかなかった。

無かった…

けど

今、僕の心がこんなにも見えない何かで押しつぶされそうで

苦しい…