君を抱きしめたい

『確か…1ヶ月くらい前かな?

そうそうバレンタイン付近。」


…バレンタイン。


あの日


公園で泣いている姉ちゃんを

初めて見た。


あの日と重なる。


姉ちゃんの態度が最近、なんとなくおかしかったのは


2人でドライブしたのは…


さよならの代わりの思いで作りだなんて

考えたくもない。



ようやく家に着いて

部屋のカーテンを勢いよく開ける。





そして僕は

空っぽになってしまっている姉ちゃんの部屋の窓を前にして


ただ


膝を着いて座り込んだ。


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