君を抱きしめたい



無謀な片思いをして

君の前からいなくなって5年

あたしはまだ

新しい恋も探せずに

君から遠く離れたこの土地で

とりあえず平凡な毎日を送っています。


ただ

たまに淋しいのは

部屋の窓を開けても

キミがいないこと。


無邪気だった笑顔から

いつの間にか

男を匂わせるようになったキミに

窓の向こうのキミに

もうドキドキできないことだけが

淋しいかな…


君は高校を卒業したあと大学に進学したのだろうか。

それとも就職に就いたのだろうか。

あたしがいなくなってから

君をからかう年上の女がいなくなって

せいせいしただろうか

それとも少しは淋しいと感じてくれただろうか…。



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