愛して下さい…
逃げようとした私の腕を引き戻す

「逃げるのかよ!」

眉間にシワがよって、目が怒ってる。

「だって…困ってるじゃない……私の気持ちはお兄ちゃんを困らせるだけだもん!」

私が叫ぶよーに言うと、また困ったような顔をする

「だから…忘れて…」

腕を突っ張って、お兄ちゃんと距離をとる。

甘い香水の香りが、クラクラする。

「今さら、忘れれるわけないだろ!」

「!」

怒鳴るように言う

じゃー、どうすればいい?

「じゃー、どうしたらいいの?私の居場所なくなったう…もう戻れないの?」

妹っていう場所まで失いたくないよ!

「んっ!」

泣いてボロボロの私の唇に何かが触れた。

お兄ちゃん!

私、キスしてる?

「お…兄ちゃ…ん」

「俺だって…ずっと琴羽を見てたんだ……琴羽が俺を好きだって言ってんのに、忘れれるわけないだろ…」

お兄ちゃんの顔が泣きそうに見える

私を?

お兄ちゃんが?

好き?

「私を…好き…?」

夢?幻?

「琴羽が好きだ…ずっと妹としてなんて見れなかった…」


「んっ…ふっ…あぁ」
貪るようにキスをした

止まらなくて

ずっと欲しくて

お兄ちゃんの首に腕を絡めた
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