愛して下さい…
無意識で、逃げようとした琴羽の腕を掴んでいた

「逃げるのかよ!」

「だって…困ってるじゃない……私の気持ちはお兄ちゃんを困らせるだけだもん!」

琴羽が叫ぶよーに言う。

困らせる?

こんなに嬉しいのに?

「だから…忘れて…」

細い腕が、俺を押して離れようと力を込める

もう、離したりなんかしない!

「今さら、忘れれるわけないだろ!」

「!」

少し、強く言ってしまった…

琴羽の体が、ピクンッと反応する

「じゃー、どうしたらいいの?私の居場所なくなっちゃう…もう戻れないの?」

妹なんかいらない!

元の関係なんて…

琴羽が欲しいんだ!!

「んっ!」

泣いてグシャグシャな琴羽…

それさえ、愛しいのに…

勝手に体が動いている

小さな琴羽の頭を引き寄せ、強引にキスをした

小さな形の整った唇…

濡れて音を立てた…

「お…兄ちゃ…ん」

「俺だって…ずっと琴羽を見てたんだ……琴羽が俺を好きだって言ってんのに、忘れれるわけないだろ…」

バカみたいだけど、泣きそうになった…

唇が触れただけで、死にそうなくらい、嬉しい…

「私を…好き…?」

涙で潤んだ瞳が、俺を見上げている

「琴羽が好きだ…ずっと妹としてなんて見れなかった…」


「んっ…ふっ…あぁ」
貪るようにキスをした

止まらなくて

ずっと、していたくて

首に絡められた腕に、さらに、琴羽を求めてしまう…
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