愛して下さい…
心配になって、携帯にかけてみようと席を立ち、部屋を出て、フロアを通っていると…






パサリ…





目の前に、何十本と言うバラの花束が現れた。


「えっ…」


後ろを振り替えると、拓斗がいる


「卒業、おめでとう」

軽く微笑んだ


「ありがとう…」

フワリとバラの香りが辺りを包んだ。


「あれ、タクトじゃない!?」

回りの客が拓斗に気づいて、騒ぎ出す。

やっぱり、どこにいても存在感のある人なんだ…

拓斗は、騒ぎ出した客に視線を送ると、シーッと人差し指を唇に当てた

女性客の頬が赤く染まった。

「琴羽…そのドレス、似合ってるよ。可愛い」

サラッと言うけど、拓斗が言うから似合ってる…

「ありがとう…ママがくれたの」

「そう…」
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