愛して下さい…
「遅れて、すみません」

そう言いながら、椅子に座る。

バラの花束を、店が預かってくれた。

「仕事か?」

「そう。やっと、決まったんだ…」

なにが!?

私が首を傾げていると、拓斗が私に微笑んだ。

パパとママに視線を向ける。

「約束は果たした。大手モデル会社との契約も済ませた。もう、バイトじゃない。学校も卒業するまで、両立していいって了解も得た」

「そうか…」

パパとママが微笑んだ


「だから……」


何の話をしてるの!?

両親と拓斗を交互に見てしまう。

「美里さん!」

初めて、拓斗がママを名前で呼んだ。

そして、いきなり拓斗は頭を下げた。

「たっ…お兄ちゃん!?」

なにが起こっているのか分からない。

しかも分かっていないのは私だけ!?

パニックになっていると、信じられない言葉が聞こえた。

「美里さん、琴羽を俺に下さい。絶対に幸せにするから!」




えっーーーー……





「たっ…く…と…?」


拓斗と呼んで、ハッとして口を両手で押さえた。

気を付けてたのに、拓斗って呼んじゃった!


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