愛して下さい…
二人を見ると、無表情…


「約束を果たしたんだな…」

「えぇ…」


二人が静かに言った。

「パパ?ママ?」


ママが、白いエナメルの鞄から、一枚の用紙を取り出した。


テーブルに広げられた用紙は、白い紙に緑の線…

そして、パパとママの名前とハンコ…


「これ…離婚…届…」

なんで…

「2年前…拓斗は、あなた達の事を、私達に話したのよ…」

ママがユックリ話し出す。

「私達だってバカじゃないわ。はい、そうですかと、許せるわけがない」

ママの目が私を貫く…

知っていた?

二人が?

「だから、条件を出したの。琴羽が18才になるまでに、すべてにおいて、優った男になれと…そして、高校卒業後、家を出ること…」

「そ…んな…!私だって、拓斗を好きになったの!なんで、拓斗だけに条件を出したりするの!」

「琴羽…あなた達は、まだ子供で、ちゃんとした判断ができない…でも、それでも、好きなら、側にいたいなら、拓斗にしっかりしてもらわなきゃ、あなたを守れないでしょ?」

「ママ…」


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