愛して下さい…
「汝、水谷拓斗は、北原琴羽を妻とし、健やかなる時も、病める時も、生涯愛し抜くことを誓いますか?」

胸に十字架を掲げ、手には聖書を持った牧師が、拓斗に言う

一度、私を見て微笑み答えた

「誓います…」


「汝、北原琴羽は、水谷拓斗を夫とし、健やかなる時も、病める時も、生涯愛し抜くことを誓いますか?」

私も、一度拓斗を見て微笑み、答えた

「はい…誓います」

私達の言葉を確認した牧師は、ニッコリと笑って言った

「では、指輪の交換を…」

夢にまで見ていた…

拓斗の細く長い指が、私の左手薬指に、シルバーの結婚指輪をつけてくれる


私も、男の人にしては、長く綺麗な拓斗の左手薬指に、シルバーの結婚指輪をつける


見計らったように、牧師が口を開いた

「では、誓いのキスを…」


少し屈むと、拓斗が私のベールを上げる

見上げると、優しい目が私を見下ろしている

ソッと、拓斗の両手が私の頬を包み込む

ユックリと近づく拓斗の唇…

私は、ソッと目を閉じた…
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