Sweet Lover
「しっかしまぁ、大きくなって」

しみじみと言ったのは頼太、と呼ばれた人だ。

「お前、それ、確実におっさんの台詞だぞ?」

「30代半ばはどう考えたって、おっさんだろ。年相応だ。それに、俺が最後に真朝ちゃんを見たのは、2~3歳くらいの時だ。
お前の読みどおり、朝香ちゃん似の美人に育ってんな」

「あったりまえだろー。真一の遺伝子が勝つなんてこと、ありえねぇよ」

楽しいやりとりに、思わず笑いたくなってくる。
もちろん、私の筋肉はぴくりとも動かないんだけど。

パパとママ、すごく楽しい大学時代を送ってたんだろうなー。
知らない世界が垣間見れて、なんだか嬉しい。
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