Sweet Lover
「お前が夕べ、眠らせなかったんじゃないの?」

「……お前、俺のことなんだと思ってるわけ?」

響哉さんがため息をつく。

「そりゃもう。
 須藤響哉に落とせない女は居ないってね」

……な、なんですか、ソレ!?

「懐かしいな、その台詞。
 誰だよ、そうやっていい加減なこと言いふらしたのは」

ああ、いい加減な噂なの。

……信じていいのかなぁ。

だって、響哉さん、絶対にモテるタイプだよね?

「あ、真一。
 知らなかったの? 朝香ちゃんが、お前に取られないように布石を打ってたんだよ」

「……知らなかった。
 今から墓石に殴りにいってもいいかな?」

……響哉さんって、ママのことが……好きだった?

「感謝しに行けよ。
 いくらなんでも、朝香ちゃんとお前の子供じゃ、手出しできねぇだろうが」
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