Sweet Lover
「それもそうだな。真朝に逢わせてありがとう、って言っとくべきか。
 ……本当なら、アイツらに直接言いたかったけどなー。披露宴で真一を号泣させてやりたかった」

言うと、わさっと響哉さんの手が私の頭を撫でる。
私、微動だにせずに眠っているように見えるんだろうなー。

別に、盗み聞きしたいわけじゃないのに。

「絶対に号泣してたよ、真一。
自分の娘が大学時代の同級生に寝取られるなんて、そりゃ、いろんな意味で耐えらんねぇだろ。
だけど、真朝ちゃんの花嫁姿は見たかっただろうに。
……気の毒だよな」

「だな」

重苦しい沈黙が、部屋に漂う。
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