Sweet Lover
「失礼します」

がらりと、ドアが開く。

「今の時間なら、第一保健室の先生がいらっしゃるのでそちらに――」

「ええ、そちらに先に伺って、この部屋のことをお聞きしてきました。佐伯先生」

梨音の声だ。

「真朝――、花宮さんのお見舞いに来ました」

「ああ、花宮さんなら専属の見舞い客が居るから大丈夫」

「ってことはやっぱり、須藤さんが帰ってきてるんですね?」

梨音は不機嫌さを隠さない声でそう言った。
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