Sweet Lover
「梨音ちゃん、久しぶり~」

響哉さんは小さな子供に話しかけるのに近い口調でそう言った。

「ご無沙汰してます。
 ……一体何しに帰ってきたんですか?」

対して、梨音の口調はものすごく堅い。

「頼太の言うとおりだな。確かに時の流れを感じるよ。
 悔しそうに俺を睨むだけだったチビッコが、流暢な日本語を話している」

響哉さんが笑いを含んだ声で言う。

「そりゃそうですよ。
 アナタは私の人生ではじめてのライバルなんですから」

……え?
< 132 / 746 >

この作品をシェア

pagetop